top of page

とある卒業生の話

  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

更新日:6 時間前



当教室を10年前に卒業したOGについ先日会う機会があった。理科のN先生と同級生で桶川東中出身の女の子だ。いや、女の子という表現は失礼かな。文字通り「立派な大人」になっていたのだから。


国内の大学を卒業後、オーストラリアのメルボルン大学大学院で開発学を学んだ。※「開発学」とは、貧困や不平等の根絶、持続可能な社会の実現を目指し、途上国やグローバル課題の解決策を探求する学問分野のこと。

来年からは外務省で働くことが決まったそうだ。彼女の希望としては、アフリカの貧困地域の人々を助ける仕事がしたいとのこと。既に英語は堪能だが、これからフランス語を学んでフランス語圏諸国での仕事を希望しているらしい。実際にその方向に進めることまで内定している。


ここまで聞くと、この彼女は幼いころから超優秀な人物だったと思うかもしれないね。


小学生のころからウチに通ってくれていて、成績が良いほうではあったのは確かだ。だが、彼女より学業成績が優秀だった生徒は少なくともウチのクラス内に3人はいた。塾長目線で率直に言うと、成績抜群!と言えるほどではなかった。


彼女曰く、「小学生のときに受けた塾の英語の授業で、英語の先生の立ち振る舞いがカッコ良くて、英語に強い興味を持った」とのこと。それをきっかけに英語を使う仕事、国外に出てできる仕事をしたい!と思ったことが、現在の進路選択のきっかけなのだそうだ。


そんな彼女は、実は大学受験で「失敗」している。志望していた大学には合格できず、滑り止めとしていた大学に進学することになる。だが、そこでめげることはなかった。


高校時代に関心を持った途上国が抱える課題。当たり前だと思っていた、「学校に通えること」「清潔な水をいつでも飲めること」「不安なく暮らせる環境があること」などが、当たり前でない人々が世界にはたくさんいることを知る。こうした構造を生み出す社会の仕組み、そしてそれを改善するための方法について学びたい!という心の灯が消えることがなかったそうだ。


大学卒業後、前述の「開発学」を本格的に学ぶことを志し、メルボルン大学大学院への入学資格を得ることに成功する。実は入学してほどないタイミングで一時帰国した際に彼女に一度会っているが、そのときの彼女はかなり焦燥していた。慣れない英語での授業。膨大な課題。だいぶ自信を喪失していたので、私とカミさんが相当励ましの言葉をかけたくらいだった。


そんな彼女から1年半ぶりに連絡をもらい一緒に食事をしたら、「実は外務省に内定しました」との報告。驚いたと同時に、心の底から嬉しかった。あの辛い状況から逃げなかったのだ、と。そして、自分の一番進みたい進路を手に入れたのだ、と。


本人は「(外務省に内定したことで)一生分の運を使い果たしました」と笑っていたが、そんなことはない。当然の帰結。困難に直面しても逃げずに立ち向かい続けた結果。そんな人間に神様は微笑む。


誤解しないでほしいのは、「海外の大学院卒業」「外務省内定」という表面的なことで彼女のことを評価しているのではないということだ。彼女自身が高い目標を持ち、その実現のために逃げなかったこと・努力をし続けたこと。そのことが素晴らしいことだし、私が感銘を受けたポイントなのだ。


我々の元を巣立った生徒たちが、自身の望みを叶えたという話を聞くと感に堪えない。卒業生達よ。ぜひ近況を聞かせてほしい。結婚して子供が生まれて、可愛くてしかたがない!みたいな話もぜひ聞きたいよ。だって、そういう家庭を持てること自体が、この上なく素晴らしいことなのだから。

 
 
 

コメント


bottom of page