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頼れるという特権

  • 11 時間前
  • 読了時間: 3分

勉強していてわからないことに出会う。これは当たり前のことだ。

全て一度で理解できるなら苦労はない。この障害を乗り越えることこそ勉強なのだから。


知りたいと思う気持ち、理解したいと思う気持ちは大切。そして何よりもそれを何とかして身につけようとする思いが重要。

その思いを叶えるためには、どうすればいいのか。 一つは「自力で何とかする」ということだ。

教科書、それ以外のテキスト・参考書、今ならネットでの情報や動画、はたまたAI。手段はいろいろあるし、それらを駆使して自分で何とかしよう!という心意気は大事だと思う。その労力や手間の分だけ身につくと思うから。かく言う私自身も、特に若い頃この思いが強かったほうだと思う。「他人に尋ねる」「人の助けを借りる」ということがなかなかできなかった。人に聞くのは(私にとっては)非常に勇気のいる行動だった。


一方で、その気質ゆえに余計な回り道をした自覚もある。誰かにたった一言尋ねれば済むことを、躊躇したために時間や労力を浪費していたこともあった。


この「自分で抱え込む」が行き過ぎると、「聞くのがイヤだからそのままにしておこう」になりがちだ。さらに進むと「わからないことをわかったふりをする」になることも。こうなるともう自分にとって損でしかない。


大学を卒業して最初に入社した会社で同期だったTという女性がいる。彼女も私も営業(商品を顧客に売る仕事)という同じ職種だった。彼女はわからないことがあると他人に尋ねることを厭わない。「わからない」「知りたい」と思った瞬間には、隣にいる先輩や上司に聞いている。先輩や上司は当然自身の業務で多忙なのだが、彼女の質問には必ず答える。なぜか。


彼女はまだ新人で、その疑問に答えるのは彼らの仕事の一部だからだ。


こうして周囲の人間を「上手く使って」様々なことを急速に吸収したTは、新人であるその年、全国トップの業績を上げて会社から表彰されることになる。※余談だが、その表彰式は武道館で行われた。彼女は武道館のステージでスポットライトを浴びたのだ。


周りの人間に尋ねて自らを向上させていくTの様子を見て、あぁ私も見習うべきだと心底思ったことを覚えている。他人の力を借りるのは恥でもなんでもない。自力で努力するのは当然ながら、さらに周囲の力を上手く使って目的を果たす。これこそが自分のためになる、と。


生徒諸君。君たちはまだ子どもだ。 それは幼く、足りない部分が多いということでもある。一方で周りの助け(特に大人たち)の力を、遠慮なく借りられる立場でもあるということ。強力な「頼っていい権利」を持っているのだ。この特権を使わない手はない。


私や他の先生の仕事は、授業をすることだけではない。 ぜひ少しの勇気を出して、我々を上手く使ってほしい。

ちなみに前述のTという女性は、現在小さな学習塾で英語と社会を教えている。











 
 
 

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