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遠くを見る

  • 6月12日
  • 読了時間: 2分

幼い頃、自転車に乗り始めたころの記憶を呼び起こしてみよう。フラフラと体が揺れてしまい、真っ直ぐ進めなかったことだろう。バランスを崩して転倒をしたかもしれない。また、スキーやスノーボードの経験があるなら、初心者のうちは同じような感覚を持ったと思う。


この原因は「すぐ手前の足元ばかり見ている」という一点に尽きる。


人間の身体には目線を向けた方向へ自然と進みバランスを取るという習性があるため、自転車の前輪のすぐ先や、スキー・スノボの足元の雪面ばかりに気を取られていると、小さな段差や雪の凹凸に過剰に反応してしまう。結果としてハンドルや板のコントロールを失って蛇行や転倒を引き起こすことになる。


上達のためには、「視点をできるだけ遠くに置くこと」が有効だ。はるか先の道の奥やゲレンデの麓に視点を固定するだけで、頭部は自然と上がり、背筋が伸び、体幹を中心とした理想的な乗車姿勢や滑走フォームに近づく。実際、普通に自転車に乗れるようになってから前輪ばかり見ながら運転している者はいないだろう。


フォームが変わると、心理的な部分にも好影響がある。近くの景色は猛スピードで後ろへ流れるため、脳に余計な「恐怖感」を与えてパニックを誘発するが、遠くの景色は動きが緩やかであるため脳が処理する情報が安定し、急な操作をする必要がなくなる。すると、先々の状況へ余裕を持って対処できるようになり、精神面で安定する。


そしてこの「遠くに視点を置くとブレずに安定する」という法則は、スポーツや乗り物の運転だけではなく、我々の日常生活においても全く同じことが当てはまる。


目の前の課題やトラブル、忙しさという「足元」ばかりに視界を奪われていると、心の軸がブレて自分の進むべき本当の方向性を見失い、迷走を繰り返すことになりがちだ。


逆に、最終的に到達したい明確なビジョンや成し遂げたい野望(言いすぎか?)という「遠くのゴール」に視点を置いていれば、今起きている些細な問題にいちいち惑わされることなく、自分の進むべき道を真っすぐに突き進むことができる。


もし今、「足元がふらついている感覚」があるならば、今すぐ顔を上げて「遠くの景色」を見ることを意識しよう。自分は何をしたいのか。どうなりたいのか。見る景色が変われば、行動も気持ちも変わる。そして、もしかしたら、今悩んでいることことが取るに足らないことに思えるかもね。

 
 
 

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