脳を知れば無駄は減る
- 5月24日
- 読了時間: 4分

「理科や社会は暗記ものだから、テスト前日に全集中!」
「漢字テストや英単語テストは直前の詰め込みがベスト!」
これらのやり方は、うまくいく可能性がある。『締切効果』と呼ばれるヤツで、時間的な制約があると「やらなければならない!」という緊急性が生まれて、集中力が爆発的に高まることで効率が上がる。だから、目先の結果は出ることがある。
だがそれは本当に目先だけの話であって、ちょっと長い目で見ると成功とは言えない。2週間後に抜き打ちで同じテストをやればすぐにわかる。おそらく3割も取れないだろう。下手したら1割未満。「目の前のテストさえクリアできれば万事OK!」という刹那主義ならいいが、せっかく頑張った努力が見事に消えてなくなるのは惜しくはないか?
人間の脳に入ってきた情報は、まず耳の奥あたりにある「海馬」という場所に集められる。直前で詰め込んだ知識は、すべてこの海馬に一旦「一時保存」された状態になるのだが、海馬のキャパシティ(容量)は限界があるため、詰め込みすぎるとすぐに溢れてしまう。だから、海馬に集まった情報のうち重要なもののみを「大脳皮質」という場所に移して長期保管する。つまり、忘れない記憶にする。
脳は「短期間に1回だけ見たもの」を重要だと判断しない。「何度も繰り返し入ってくる情報=生きるために必要な情報」と判断して記憶に残す。直前に1回だけ強引に詰め込んだ知識は、脳からすれば「一過性のノイズ」に過ぎない。だから、テストが終わった瞬間に脳のゴミ箱へ自動的に消去されてしまう。
まずはその「直前だけ頑張る!」というマインドを改めよう。頑張りを無にしないために。 その上で、脳を上手く使うための方法をいくつか紹介しよう。
① 分散学習
一度にまとめて覚えるのではなく、「忘れた頃に思い出す」という復習の間隔をあける方法。ある単語や公式を覚えたら、「翌日」「3日後」「1週間後」「2週間後」というように、少しずつ間隔を広げながら復習する。
➡脳科学的な理由:前述のように、脳(海馬)は「短期間に集中して入ってきた情報」よりも、「忘れた頃に何度も繰り返し入ってくる情報」を「生きるために必要な重要データ」と判断する。思い出すプロセス(脳に負荷をかける作業)を挟むことで、記憶の結びつきが圧倒的に強固になる。
② テスト化・アウトプット勉強
教科書をただ眺めたり(インプット)、綺麗にノートにまとめ直したりするのではなく、「記憶から強制的に引っ張り出す(アウトプット)」をメインにする。教科書の1ページを読んだら、すぐに本を閉じて「何が書いてあったか」を裏紙に書き出す。またはカードなどを使い、「これの意味は何か?」と自分にクイズを出し続ける。さらには、友達や家族に今日習った内容を「先生役」になって説明してみる。※英単語勉強は「テストしろ」としつこいほど指示されているよね?
➡脳科学的な理由:脳は「情報を入れた時」ではなく、「情報を思い出そうと脳に汗をかいた時」に記憶を強く定着させる。インプットとアウトプットの黄金比率は「3:7」。問題を解く・思い出す時間を増やすことが長期記憶への近道。
③ 睡眠をセット
勉強した直後に「適切な睡眠」をとることで、記憶の仕分け・定着を最大化する。暗記モノ(歴史の用語、英単語、公式など)は「寝る前の30分〜1時間」に集中して行う。勉強した後は、スマホやテレビ、漫画などの「新しい情報」を脳に入れないまま、すぐに布団に入る。記憶の定着(レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル)を正常に行うため、最低でも6時間〜7時間の睡眠を確保する。
➡脳科学的な理由:
海馬に溜まった知識を大脳皮質へ整理・収納する作業は、実は睡眠中にしか行われない。寝る直前に覚えた内容は、睡眠中の脳内で「最優先で復習されるデータ」になるため、定着率が高くなりやすい。逆に、勉強後にスマホを見ると記憶の衝突(上書き)が起きてしまうので注意。
実を言うと、こういった「やり方」だけが全てではないが、その話はまた今度にしよう。少なくとも直前での間に合わせを止め、上記のような方法を実践しただけでも大きな違いが出るとは思うよ。





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